日比谷高校の教科別メソッド
国語自校作成問題について
大問1
- 漢字の読みが5題出題されます。
- 2020年度入試、2021年度入試はそのうち1問が四字熟語でした。
- 四字熟語以外では、全ての問題に中学で習う漢字が使われていました。
- 四字熟語の出題がなかった2019年度入試では、5問全てに中学で習う漢字が使われていました。
- 中学で習う漢字は1110字あります。すべての漢字の音読み・訓読みが読めるようになっておきましょう。(一部の漢字には音読みまたは訓読みのどちらかしかありません。)
- ⇒中学漢字の音読み・訓読み・熟語を徹底的に覚え、四字熟語も覚えます。
大問2
- 漢字の書きが5題出題されます。
- 2019年度入試から2021年度入試まで3年連続で四字熟語の問題が1題出題されています。
- 過去3年間、四字熟語以外の全ての問題において、中学で習う漢字は使われていません。小学校で習う漢字の珍しい用法や熟語・三字熟語に注意しましょう。
例:結う(ゆう)、寒心、金輪際。 - ⇒小学漢字の意外な読み方や珍しい用法を徹底的に覚え、四字熟語も覚えます。
大問3~大問5
- 読解問題が出題されます。
- 読解問題で意識したいのは「論理構造」「前提知識」「自問自答」
- 読解で意識してほしい「論理構造」は以下の6つ。
①指示語②接続語③反復④言い換え⑤対比⑥因果関係 - 読解で意識してほしい「前提知識」のジャンル、内容は大問ごとに異なる。
- 読解で意識してほしい「自問自答」は以下の2つ。
①「具体的には?」②「なぜ?」
大問3
- 小説が1題出題される。
- 必要な「前提知識」は以下の注意事項とそれを実行するための語彙力。
- 心情の変化を読み取ることが重要となる。(主人公が葛藤やコンフリクトを乗り越える。)
- 「変化」には必ず「Before」と「After」があるため、どちらの心情も読み取る。
- 心情を読み取るヒント
①状況・描写⇒風景や物が登場人物の心情を示すことがある。比喩表現に注意する。
②出来事
③登場人物の発言・行動
④登場人物の年齢・性別・性格・過去・境遇
⑤登場人物の心情そのもの(直接描写されることは少ないが、ないわけではない)
注意①小説には「テーマ(主題)」があることを意識するとこれらの変化に気づきやすい。
2021年度の主題:「力みをなくし、目の前のことに没入する」
2020年度の主題:「先のことはわからない。目の前のことに集中してみる」
2019年度の主題:「誇りと執着を捨てた心には素晴らしい価値がある」
注意②回想シーンの挿入に注意する。
時間の流れが変わるので、気が付かないと前後関係がグチャグチャになってしまう。
注意③時間・場面の転換⇒新しい展開がある。
例:2019年度
(場面転換前)京極安知が小堀遠州に「千利休が『結構至極』と評した」とされる茶器の修繕について相談する場面
⇒(場面転換後)小堀遠州が死後の世界で千利休に会い、その茶器について話す。『結構至極』と評したのは茶器そのものではなくそれをかつて所有した人の心持ち方であったことが判明する。
注意④人物どうしの対比に注意する。性格、境遇などが正反対な人物がいる。
例:2020年度
現代っ子風の口調の朋樹⇔頑固な年配者風の言い回しをする戸川
大問4
- 説明文が1題出題される。
- まず文章のテーマを特定する。
- その際、設問が非常に重要なヒントとなる。
- 必要な「前提知識」はテーマになりやすいもの。
- 「人間⇔人間以外の生物」「人間⇔機械(最近はAI)」「現代⇔近代(多様性を評価⇔西洋中心主義などの近代批判)」「近現代⇔古代・中世(科学⇔宗教、理性⇔感情など派生ジャンルが多い)」といったものが代表的。
- 難解な文章(読みづらい文章)が出題されたときほど、設問は「論理構造」にしたがって素直に解くことができる。
- 傍線部が文の一部なら、文全体を傍線部として考える。そうすることで主語や目的語などが具体化される。
- 傍線部の論理構造は特に細かく分析する。
大問5
- 和歌など日本の古典文学に関する説明文が出題されます。
- 歴史的仮名遣い、古文の重要単語、和歌の修辞法(表現技法)、漢詩の韻についての知識などを「前提知識」としてもっておきましょう。
活用する例:2020年度問3「おぼつかなし⇒気がかりだ」 - 論理構造は大問4と比べるとシンプルです。
- 特に対比構造が重要となります。
- 選択肢において「本文中には存在しなかった対比構造」をダミーとして提示することが多いです。
選択肢のウソ対比の例:2021年度「率直な激情⇔複雑な心情」
(本文中の本当の対比は「激しい激情⇔静かな情愛」) - 古文のある一部から現代語訳の該当箇所を探す、逆に現代語訳のある一部から古文の該当箇所を探す問題が出題されます。独特の形式であるため、過去問での練習が必要です。
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