日比谷高校の教科別メソッド

数学自校作成問題について

概要

  • 50分間のテスト
  • 大問は4問、小問が合計で14問
  • 記述が3問(うち1問は図形の合同または相似の証明)
  • 過去10年間の平均点は45点~62点(小数点切り上げ)
  • 毎年、各設問ごとの出題項目や難易度が一定である

毎年、各設問ごとの出題項目や難易度が一定であるということは
準備段階で「この設問は正解できるようにする、この設問は捨てる」といった判断がある程度できるということです。

したがって、数学の勉強内容は当日の目標点によって大きく変えることができます。
ですので、「数学の対策をどうしようか」と思った場合は
現時点の内申点や国語・英語・社会・理科の模試の偏差値・点数から数学の目標点を算出するところからはじめてください。

1:大問別の出題内容と対策

各大問の出題内容を、小問ごとに紹介します。
期間は、日比谷高校の国語・数学・英語がグループ作成から自校作成に戻ったのが2018年度入試からなので、2018年以降とします。

大問1

問1

入試年度出題内容
2021年度平方根の計算問題
2020年度平方根の計算問題
2019年度平方根の計算問題
2018年度平方根の計算問題

一貫して平方根の計算問題が出題されていますね。
ここは「絶対に計算ミスが許されない」と考えて計算練習を積んでおいてください。

問2

入試年度出題内容
2021年度 二次方程式の計算問題
2020年度 二次式の因数分解
2019年度 二次式の因数分解
2018年度 二次方程式の計算問題

二次方程式を計算するか二次式を因数分解するかになっています。
ということで、過去2回とも二次方程式は因数分解して解くのではなく解の公式を用いて解く問題になっています。
どちらにせよ、計算ミスを絶対にしないよう計算練習をしておく必要があります。

問3

入試年度出題内容
2021年度 一次関数と値域の決定(文字の値を求める)
2020年度 一次関数の決定(文字の値を求める)
2019年度 二次方程式の利用(文字の値を求める)
2018年度 根号を含む式が整数になる条件

年によって出題分野が異なる設問です。
過去2年は一次関数を決定する問題が連続で出題されていますが、念のため

  • 反比例の利用
  • 一次方程式の利用・文章題
  • 連立方程式の利用・文章題
  • 平方根の利用
  • 二次方程式の利用・文章題
  • 一次関数の利用
  • 二次関数の利用

の典型的な問題(『新中学問題集』に載っている程度の問題)は一通りできるようにしておいたほうが良さそうです。

問4

入試年度出題内容
2021年度 カードの確率
2020年度 サイコロの確率
2019年度 カードの確率
2018年度 サイコロの確率

サイコロ、カード、サイコロ、カードと規則的に出題されていますね。
この規則通りであれば2022年度入試ではサイコロの確率が出題されるということになりますが果たしてどうでしょうか。

念のため、

  • サイコロ
  • カード
  • 硬貨
  • くじ
  • 球の入った袋

を一通り練習しておきましょう。

問5

入試年度出題内容正解にたどり着くためのポイント
2021年度作図・合同、対頂角
2020年度作図・ひし形の対角線の性質
・垂直二等分線の作図
2019年度作図・半円の弧に対する円周角
・相似な図形の性質
2018年度作図・円周角と中心角の関係
・垂直二等分線

一貫して作図が出題されています。
これは今後も変わらないことが予想されます。

日比谷高校の数学は大問1問5以降はすべて「図形」の問題となります。
図形問題は苦手とする人が多いですね。
「解説を聞くと理解はできるが、自分で解くときにその解き方を思いつくのは難しい。」
という人が多い印象です。

まずは各設問のポイントに注目してください。
使えるようになるべきポイントの数はそんなに多くないということが分かってもらえると思います。

大問2

二次関数の問題が出題されます。

  • 与えられた条件を満たす点の座標をある特定の文字で表現する
  • その文字を使って他の点の座標や線分の長さを表現する
  • すると、一次方程式や二次方程式が登場する
  • それを解けば文字の値がわかる=正解にたどり着くことができる

という流れが一般的な流れです。

問1

入試年度出題内容正解にたどり着くためのポイント
2021年度点の座標を求める・相似な三角形の性質
2020年度直線の式を求める・傾きを使って線分の長さの比を求める
2019年度線分の長さを求める・直線の傾きとその直線を通る点の座標があれば
その直線のy切片を求めることができる
2018年度直線の式を求める・正方形の対角線の性質

大問1問5や大問2問2以降の問題と異なり、正解にたどり着くためのポイントが1つしかないシンプルな問題が続いています。
確実に正解できるようにしておきましょう。

問2(問2(1)と表す年もある)

入試年度出題内容正解にたどり着くためのポイント
2021年度直線の式を求める・「傾き」を使って線分の長さの比を求める
2020年度点の座標を求める・原点を通る二次関数はy軸について対称
・相似な三角形の性質
2019年度点のx座標を求める・平行線と三角形の等積変形
・平行な2直線の傾きは等しい
2018年度二次関数の比例定数を求める・正方形の対角線の性質

記述問題です。
ポイントを見抜くことができれば、少なくとも部分点を獲得することは難しくありません。
毎年用いるポイントはバラバラです。
二次関数特有のもの(「傾き」「等積変形」「y軸について線対称」)をしっかり確認しておきましょう。

問3(問2(2)と表す年もある)

入試年度出題内容正解にたどり着くためのポイント
2021年度点の座標・二次関数の放物線はy軸について対称
2020年度直線の傾きを求める・相似な三角形の性質
・2点の座標から傾きを計算する方法
2019年度二次関数の比例定数を求める・等積変形
2018年度点の座標を求める・正方形の対角線の性質
・線分の長さの比を使って傾きを求める

記述問題ではなくなります。
問2より難しくはなりますが、使うポイントのラインナップは問2と変わりません。
計算プロセスが問2より複雑になっているイメージです。
問2と異なり記述ではないため部分点が獲得できません。
正確に計算して正答にたどりつく練習をしておきましょう。

大問3

平面図形の問題です。
4年連続で円の問題が続いています。
とはいえ、円のなかに三角形が登場しますので円に関連する単元の演習だけでは正解できないようになっています。

問1

入試年度出題内容正解にたどり着くためのポイント
2021年度角度の大きさを求める・円周角と中心角の関係
・三角形の内角と外角の関係
2020年度角度の大きさを求める・円周角と弧の長さの関係
・正三角形の性質
2019年度角度の大きさを求める ・円の接線と半径の関係
・三角形の内角と外角の関係
・円周角と中心角の関係
2018年度角度の大きさを求める ・円周角と中心角の関係
・半円の弧に対する円周角
・平行線の錯角
・円周角と弧の長さの関係

角度の大きさを求める問題が続いており、円周角の定理が重要となっています。
しかし、それに加えて三角形の性質を用いることが多いということを覚えておきましょう。
円周角の定理は学校では中3の2学期(後期)に習います。
先取りで学習しておかないと演習が不足してしまうことになりますので、夏休みなどを利用して先取りしておきましょう。

問2(問2(1)と表す年もある)

入試年度出題内容正解にたどり着くためのポイント
2021年度合同の証明・円周角と中心角の関係
・円周角と弧の関係
2020年度相似の証明・平行線の同位角・錯角
・円周角の定理
・三角形の内角と外角の関係
2019年度辺の長さが等しいことの証明・直角二等辺三角形の証明
・二等辺三角形の底角の性質
・補集合と共通集合
(「集合A」+「集合B」-「ABの和集合」
=「ABの共通集合」)
・円周角の定理
・半円の弧に対する円周角
2018年度相似の証明・半円の弧に対する円周角
・平行線の同位角、錯角
・円周角の定理
・三角形の内角と外角の関係
・二等辺三角形の底角関係

ここ2年、2つの三角形が合同であること、または相似であることを証明する問題が続いています。
2019年はどちらでもありませんでした。この年は難しい問題になっています。
今後もこの方式に注意です。

ポイントの数を見てもらえれば一目瞭然ですが、年によって難易度がだいぶ異なります。
難しい年でも部分点を獲得するのは難しくありません。

そのためのポイントは、
与えられた情報からどの合同条件・相似条件を使うのかを考える
ことです。

問3(問2(2)と表す年もある)

入試年度出題内容正解にたどり着くためのポイント
2021年度線分の長さの比を求める・合同な図形の性質
・線分の長さの比を用いて
・他の辺の長さを表現する
2020年度線分の長さを求める・半円の弧に対する円周角
・相似な図形の性質
・三平方の定理の利用
2019年度線分の長さを求める・相似の証明
・二等辺三角形の性質
・直角二等辺三角形の辺の長さの比
2018年度線分の長さを求める・相似な図形の性質
・平行線と線分の比
  • 問2で証明が求められていることを活用する
  • それが分かっているゆえ、問2よりカンタンに解ける場合もある
  • つまり、問2は最後まで解けなかったが問3はできたということもあり得る
  • 問2とは違い記述ではないので答えさえ出せれば満点がとれる
  • 裏を返せば、惜しいところまでいっても0点である

という特徴があります。

大問4

空間図形の問題です。
大問3で円を扱っているので、大問4では円錐や円柱は出題されないようです。
空間図形の問題は独特の難しさがあり、慣れていないと正解にたどり着くことが難しいです。
数学が苦手な人はまずは問1を正解できるようにすることを目指しましょう。

問1

入試年度出題内容正解にたどり着くためのポイント
2021年度三角形の面積を求める・補助線を引いて長方形をつくる
・長方形の性質
・面と面が垂直なら、
それらの上にある直線どうしも垂直
・合同な三角形の性質
2020年度線分の長さを求める・同位角が等しい直線は平行
・平行線と線分の比
・特別な直角三角形の辺の長さの比
2019年度三角形の面積を求める・補助線を引いて長方形をつくる
・長方形の性質
・合同な三角形の性質
・特別な直角三角形の辺の長さの比
・三平方の定理
2018年度立体の表面積を文字を用いて表す・展開図で考える
・特別な直角三角形の辺の長さの比

簡単な年と難しい年の落差が大きいイメージですが、難しい年でも間違えて良いといえるほどの難易度にはなりません。
直線の平行・垂直がポイントになる年が多いです。

問2

入試年度出題内容正解にたどり着くためのポイント
2021年度線分の長さを求める・直方体の2つの側面が平行な場合
それを横切る平面との交線は平行になる
・相似な三角形の性質
2020年度三角形の面積を求める・ある直線が平面上の交わる2直線に垂直ならば
その直線はその平面と垂直である
・「長さが最短」=垂直
・相似な三角形の性質
・三平方の定理
2019年度辺の長さを用いて体積を表す・面と面が平行なら
それらの上にある直線どうしも平行
・長方形の性質
2018年度線分の長さを求める・三平方の定理

空間図形の問2は正確な記述を書くことが難しいという特徴があります。
なんとなく「こことここの長さが同じだろう」「こことここが平行だろう(垂直だろう)」と考えながらでも正解にたどり着くこと自体はできますが、満点をとる答案を書くことは難しいです。

問3

入試年度出題内容正解にたどり着くためのポイント
2021年度立体の体積を求める・特別な直角三角形の辺の長さの比
2020年度立体の体積の比を求める・平行線の同位角
・点と面の距離は垂線の長さで表す
・長方形の性質
・平行線と線分の比
・相似な三角形の性質
2019年度立体の体積の比を求める・特定の平面を切り取って考える
・三平方の定理
・直角三角形の面積を利用して高さを計算する
2018年度立体の体積を求める・補助線として垂線を引いて立体を2つに分ける
・直角三角形でない三角形の面積の計算
・特別な直角三角形の辺の長さの比

問3は、年によっては時間内に使用するポイントに気づくことが難しいです。
目標点数によっては、この設問は捨てて他の設問をじっくり考える・検算するという作戦も考えられます。

2:対策の全体像

設問ごとにみると難しい問題が多い印象を受けると思います。
しかし、実は準備するべきことは限られています。
それを紹介します。

設問ごとにみると難しい問題が多い印象を受けると思います。
しかし、実は準備するべきことは限られています。
それを紹介します。

  • 大問1の問1~問4:図形が関わらない問題⇒絶対に落とさないようにする
  • 大問1の問5~大問4の問3:図形が関わる問題⇒どうすればいいかわからなくなったら、以下のいずれかを試す

・直角三角形の面積を利用して、斜辺からの高さを計算することができる

・二等辺三角形の性質を利用する

・直角二等辺三角形の性質を利用する(角度の大きさ、辺の長さの比)

・正三角形の性質を利用する

・ひし形の対角線の性質を利用する

・長方形の性質を利用する

・正方形の対角線の性質を利用する

・垂直二等分線の性質(作図方法を含む)

・対頂角の大きさは等しい


・平行線の同位角・錯角の大きさは等しいことを利用する

・同位角の等しい2つの直線は平行であることを利用する

・三角形の内角と外角の関係を利用する

・合同な図形の対応する辺の長さ、角度の大きさは等しい


・相似な図形の対応する辺の長さの比は等しい

・平行線と線分の比の性質を利用する(中点連結定理など)

・円周角の定理を利用する

・半円の弧に対する円周角の性質(90度になる)

・円周角は中心角の半分の大きさ


・円周角と弧の長さの関係を利用する

・円の接線と半径が垂直になることを利用する

・三平方の定理を利用する

・特別な直角三角形の辺の長さの比を利用する

・(90度―45度―45度、90度―60度―30度

大問2(二次関数)限定

・「傾き」を使って線分の長さの比を求める

・線分の長さの比を使って「傾き」を求める

・直線の傾きとその直線を通る点の座標があればその直線のy切片を求めることができる

・2点の座標から傾きを計算することができる

・平行な2直線の傾きは等しい

・原点を通る二次関数の放物線はy軸について対称となる

・平行線を用いて三角形を等積変形することができる

・等積変形を活用して四角形を長方形にすることができる

大問4(空間図形)限定

・展開図で考える

・特定の平面を切り取って考える

・補助線を引いて長方形をつくる

・補助線として垂線を引いて立体を2つに分ける

・点と面の距離は垂線の長さで表す

・「点と直線の距離が最短」=垂直

・面と面が垂直なら、それらの上にある直線どうしも垂直である

・ある直線が平面上の交わる2直線に垂直ならばその直線はその平面と垂直である

・面と面が平行ならそれらの上にある直線どうしも平行である

以上のいずれかを試せば、すべての問題とはいえませんがほとんどの問題で正解にたどり着くことができます。
すべて頭に入れて、次に何をして良いかわからなくなったら順番に試していくことで方針を模索しましょう。

3:記述問題の答案作成のコツ

日比谷高校の数学は、大問2~大問4の問2が記述問題になっています。
これらの記述問題でいかに部分点をとることができるかが合格のための重要なポイントになります。
そこで、記述問題で部分点をとることができ、減点もされにくくなるためのコツを紹介します。

・日比谷高校は「部分点の基準」を定めてあなたの答案を採点する

・その「基準」は、「〇〇について書かれている(2点)」「△△についての言及がない(1点減点)」といったものである

・計算を書く前に答えを求める方針を書く

・数式だけでなく、それが成り立つ根拠などの日本語での説明を詳しく書くようにする

・とくに、どんな定理・公式を用いたのかは正確に、はっきり書くようにする
 例:「三平方の定理より…」「正三角形の辺の長さは等しいので、…」

・時間内に計算が最後まで終わらないと思ったら、日本語で正答にいたるまでの流れ(どのような解法で解くか)を明記しておく

・新しい文字を使う場合は、それが何を表すのかを必ず明示する

・問題文に書かれている情報を書くだけで部分点がもらえる可能性もある
 例:「ADとFGは平行なので…」「△DEFは二等辺三角形なので…」

・最終的な答えは下線を引くなどして目立たせる

4:目標点数別の対策例

内申点や他教科の状況により、数学の目標点が明確になった場合は下記の表を参考にして優先すべき対策ポイントを決めてください。
ミスをすることや特定の問題が例年より難しくなる可能性を見越して、ゆとりのある作戦にしてあります。

◎:絶対に正解する
◯:正解を狙う
△:部分点を狙う
×:解かなくても良い

目標50点前後
(平均点前後)
65点前後
(平均点+10~15点前後)
80点前後
(平均点+20~25点前後
大問1
各大問の問1
大問2 問2◯(減点はあってもOKな感覚で。)
大問2 問3×◯(大問3問3とどちらか1つでOK)
大問3 問2◯(減点はあってもOKな感覚で。)
大問3 問3×◯(大問2問3とどちらか1つでOK)
大問4 問2
大問4 問3××

これはあくまで例です。
実際には、一人ひとりの得意ジャンル・不得意ジャンルや当日の問題の難易度によって細かい戦略は変わる可能性があります。
とはいえ、数学の点数が伸び悩んでいる人は上記を参考にして対策のはじめの1歩を踏み出してみてください。

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