都立高校 一般入試問題・社会 2022年度入試(令和4年度入試)解説

こんにちは!
日比谷高校入試を徹底的に研究した東大卒の塾長の指導を直接受けて成績アップと日比谷高校合格を実現できる塾・星進会塾長の諏訪です。

今回は、2022年2月に行われた都立高校入試・社会の解説をします。

毎年のことではありますが、知識だけで解ける問題はあまり多くありません。
文章やグラフといった、与えられている情報をどれだけ活用できるかが高得点をとれるか否かを決する試験問題でした。

この記事を読めば
「覚えておくべき知識」と「資料から読み取るべき情報」としてそれぞれどのようなものがあるのかがわかります。

ぜひ最後まで読んで学習していってください。

それでは解説を始めます。

Contents

大問1

問1

必要な情報を取捨選択して、正しい移動経路を選ぶ問題です。
移動経路を選ぶ問題なので、まずは方角・方向の情報に注目します。

資料のうち「漁師町の痕跡を巡った様子」から方角・方向についての情報のみを抜き出してみます
・A点:東を見ると川が曲がっている
・南へ進む
・南東へ曲がる
・ここでB点に着く
・川に並行して歩く
・北東に曲がる
・北西に曲がる
・直進する
・東へ曲がる
・学校(C点)に着く
以上が方角・方向についての情報です。

特に役に立つ情報

・A点で東を見ると川が曲がっている
方角・方向についてのヒントのうち、一番最初のヒントです。
⇒このヒントだけで、アが×(東に川がない)、イが×(東に川があるがまっすぐ)、ウが×(東の遠いところに川があるがまっすぐ)となるので、エが正解であることがわかります。

・東へ曲がるとC点に着く
方角・方向についてのヒントのうち、一番最後のヒントです。
⇒地図は上方向が北なので、東は右(「⇒」の方向)です
⇒最後に東方向に移動してC点に着く移動経路を選ぶことになります
⇒このヒントだけで、アが×(北東に移動している)、イが×(南に移動している)、ウが×(南西に移動している)となるので、エが正解であることがわかります。

問2

与えられた文章のうち、以下の情報に注目して正解にたどり着きましょう。

・「鑑真」⇒奈良時代の人

・「都」⇒奈良時代の都は平城京⇒今の奈良県にある

以上より、奈良県の場所=ウが正解となる。

問3

以下の情報に注目します。

・各都府県に1か所、北海道に4か所
⇒知識があれば、この情報だけで「地方裁判所だ!」=「アだ!」とわかります。

この知識がない場合の対処法を紹介します。

・第一審を扱う
⇒「三審制」ということばがあるので、第一審・第二審・第三審の三回裁判が行われることがわかります
⇒第三審は最後なので最高裁判所で行われると判断できます
⇒そうすると、第二審は最高裁判所の1ランク下の裁判所、高等裁判所で行われると判断できます
⇒この流れで考えると、第一審は高等裁判所の1ランクしたである地方裁判所であると考えられます
⇒よって、答えが「ア」であると判断できます

というプロセスです。
都立高校入試の社会では、答えに至るまでのヒントやプロセスが複数個用意されていることが多いです。
したがって、1つのヒントに対して「知らない」「覚えていない」となっても決してあきらめず他のヒントや解答にたどり着く方法を探してみてください。
正解にたどり着ける場合があります。

大問2

問1

イスラム商人

イスラム教が盛んに信仰されている地域を覚えておきましょう

イスラム教は①アラビア半島②北アフリカ③インドネシア・マレーシアで信仰が盛んです

この情報から、A~Dのうち答えがDであると判断できます。

季節風(モンスーン)

季節風(モンスーン)はどこで吹くのでしょうか

季節風が吹くのは、主に「東アジア」「東南アジア」「南アジア」です。

つまり、
「季節風(モンスーン)」=「アジア」
と考えてOKです。
この知識があればA~DのうちDを選べばよいとわかります。

雨温図を選ぶ問題

年平均気温がマイナス(氷点下)になっています。
したがって、赤道との距離がかなり遠いということがわかります。
つまり、アはBであると判断できます。

年平均気温が高い⇒赤道が近い
降水量が多い月と少ない月の差が大きい⇒「季節」がはっきりしている
以上から、イはDであると判断できます。

年平均気温がイ・エに比べると低い⇒赤道からやや遠い
この情報から、ウはAであると判断できます。

12月・1月より7月・8月のほうが気温がやや低い⇒南半球にある
この情報から、エはCであると判断できます。

以上から、問1の答えはD・イとなります。

問2

・「経済大国」:GDPが高い国を指します。具体的には、アメリカ・中国・日本・・・といった国を指します。
今回の選択肢、P~Sのなかにアメリカ合衆国近辺のものがありません。
よって、中国と日本を結んでいるのではないかと考えることができます。
アはPであると判断します。

この判断は他の選択肢に比べて確証をもちづらいので、とばして他の選択肢から選んでもよいです。

「石油」「石油依存」というフレーズから、石油の生産が盛んな中東にあるRを選ぶことができます。

また、「海峡」(陸地に挟まれて海の幅が狭くなっている部分)というフレーズから、イがSではないことがわかります。
(逆にいえばこのフレーズからは3択以上に絞ることはできません。)

「国内総生産(GDP)が15兆2000億ドル(=1500超円以上)となる地域」というフレーズから、GDPが高い地域であることがわかります。
ヨーロッパはGDPの高い国が多い地域なので、ウはSであると判断できます。

イ・エに比べると判断しづらいので先にイ・エを判断しておくと良いです。

「現在10国が加盟する組織」というフレーズに注目します。
これは、EUの加盟国数にしては少ないですね。
したがって、「ASEANの加盟数である」ということが判断できます。
(Pや日本を含む東アジアに10か国が加盟する組織はありませんね。)
よって、エは東南アジア、つまりQであると判断できます。

問3

Ⅲの文章から読み取るべきヒント

・「バナナ栽培」「人口が1億人を超えた」「英語が公用語」といった情報からⅢで述べている国がフィリピンのことであると判断できます。
特に「バナナ」というフレーズが大きなヒントになりますね。
また、最近は「フィリピン人講師と英語で話すオンライン英会話スクール」が増えているのでそこから連想できた人もいるかもしれません。

ちなみに、フィリピン(Y)以外の選択肢について考えてみると
・W:南米なのでスペイン語が公用語ですね。英語ではありません。
・X:中米なのでこれもスペイン語が公用語です。
・Z:マレーシアは人口が1億人を超えていません。約3000万人です。近隣のインドネシアやフィリピンと比べると少ないですね。
  マレーシアの公用語はマレー語ですが、イギリスが旧宗主国なので英語も公用語であると考えるかもしれません。
  今回、Y以外で選んでしまう可能性があるとしたらZです。
  やはり、「フィリピン=バナナ」という知識によってYを選ぶのがこの問題の最善手のようです。
  なお、「フィリピン=バナナ(果実)」というのは、都立高校入試・社会の2021年の大問2問3の選択肢Y・イでも登場しています。2年連続の登場です。今後も気を付けておきましょう。

・「日本の輸入額は2倍に届かないものの増加」⇒イとウは2倍以上増加しているので×です。

・「バナナ栽培などから脱却」⇒残っているアとエのうち、1999年に果実栽培がランクインしているのはエのみです。

以上から、答えはY・エです。
  

大問3

問1

文章と、それが説明している都道府県を正しく組み合わせる問題です。
分かりやすいものから特定していきましょう。

・他の道県と比べて鉄鋼の生産が多い
・北部にリアス海岸
・南部に「国際貿易港」
⇒県の南部に神戸港を有する兵庫県のことだとわかります。
(兵庫県といえば鉄鋼の生産が盛んで有名ですね。神戸製鋼という会社もあります。)

・イ以外の道県と比べて造船が盛ん
・海岸線がウの次に長い⇒長い理由が「多くの島、半島、岬によって複雑に入り組んでいること」
⇒長崎県である

・エよりこっちが先でもいいですね。
・海岸線がア~エのなかで一番長い⇒全都道府県のなかでぶっちぎりでサイズの大きい北海道です。

・干潟⇒有明海のこと
・「国内炭と中国産の鉄鉱石を原料に鉄鋼を生産していた製鉄所」⇒八幡製鉄所のこと
⇒福岡県のことです。

以上から、
A:ウ、B:イ、C:ア、D:エ
です。

問2

場所の特定

「絹織物」:富岡製糸場のあった群馬県
「電気機械」「輸送用機械」「高速道路の整備に伴って発展」⇒北関東工業地域の特徴
ということで、これがWについて述べていることがわかります。

グラフの特定

・2019年の電気機械の出荷額は約2兆円
・2019年の輸送用機械の出荷額は約5兆円
⇒両者の開きは約2.5倍

各選択肢の電気機械、輸送用機械の割合をチェックし、2.5倍の開きがあるかどうかを確認する
ア:7.3⇒18.4 
イ:14.6⇒25.0
ウ:2.5⇒19.9
エ:4.9⇒5.5
これをみると、イとエは2.5倍も開きがないので×
また、ウは8倍ほどの開きがあって差が開きすぎている。
念のため、ウの電気機械工業についておおよその金額を計算する。
31兆円×0.02=6000億円
となり、2兆円ではない。

よって、グラフはアが正しい。

以上から、この問題の正解はア・Wとなります。

問3

記述問題です。
記述問題では、設問から答えるべき内容(書くべき内容)を正しく読み取ることが重要です。

今回は、
・太線で囲まれた範囲に共通した土地利用の変化について述べる(ⅠⅡの資料から読み取る)
・その変化を可能にした要因について述べる(乗降客数が多い駅である福島駅と岡山駅に着目する)
となっています。

土地利用の変化

どちらのケースでも、工場が商業施設に変化しています。
これを書けば良さそうです。
(Ⅱの下の注釈がそれを際立たせてくれています)

それを可能にした要因

なぜ駅前で商業施設を開くことができたのか
⇒福島駅と岡山駅に着目する
⇒地図からはこれといった情報が読み取れない
⇒設問の「乗降客数が多い」という情報を使うしかない

以上から、解答例は
変化:工場のあった土地が商業施設となった。
要因:乗降客数が多く、多くの人が集まりやすい駅の駅前に立地していたこと。
となります。

大問4

問1

文ごとに、特定のフレーズから時代を特定していきます。
時代の分け方については、こちらのページを参照してください。

「墾田永年私財法」⇒奈良時代

「摂関政治」⇒平安時代(貴族)

「建武」⇒「建武の新政」⇒南北朝時代(室町時代)

「元軍の襲来を退けた」⇒「元寇」⇒鎌倉時代

上記の時代は
奈良時代⇒平安時代(貴族)⇒鎌倉時代⇒室町時代という順番なので、
ア⇒イ⇒エ⇒ウ
となります。

問2

問題文に「検地」とあります。
中学社会で習った「検地」は、豊臣秀吉が実施した「太閤検地」だけのはずです。
よって、年表から豊臣秀吉が活躍した時代を選ぶ問題であると判断できます。

豊臣秀吉は、
・織田信長の次
・徳川家康の前
に権力を握った人物です。
そこで、選択肢のなかでは
・アとイのあいだ:織田信長が本能寺の変で倒された
・イとウのあいだ:関ヶ原の戦いに勝利した徳川家康が実験をにぎった
この2つの出来事のあいだ、つまりイの時期に豊臣秀吉が権力を握ったと判断できます。

よって、正解はイです。

問3

問1同様、文ごとに特定のフレーズから文の時代を特定していきます。

「地下鉄の運行が開始」⇒大正時代

「寛政の改革」⇒江戸時代(改革期)

「黒船来航」⇒江戸時代(幕末)

「日英同盟の締結」⇒日清戦争・日露戦争期

古い順に並べると、
イ⇒ウ⇒エ⇒ア
となります。

問4

Ⅱの文章から読み取るヒント

①東西ドイツが統一される(≒ベルリンの壁崩壊)⇒1990年前後の出来事=バブル経済期⇒ウが正解

②京都議定書の採択⇒1997年⇒ウが正解

③長野オリンピック⇒1998年⇒ウが正解

このなかのどれかのルートで正解にたどり着くことができます。
①がもっとも分かりやすいですね。

③に関しては、

日本で開催されたオリンピック
①1964年(高度経済成長期):東京オリンピック
②1972年(高度経済成長期):札幌オリンピック
③1998年(低成長期):長野オリンピック
④2021年:東京オリンピック

これをすべて覚えておきましょう。

今回の問題では「富士山が見えた回数」「二酸化硫黄の東京における濃度」といったデータも活用できないわけではないですが、推奨しません。
分かりやすく正解にたどり着けるヒントではないと考えています。

大問5

問1

自由権の分類を問う問題です。

まず、自由権の全体像を把握しておきましょう。

①身体(生命・身体)の自由
・奴隷的拘束および苦役からの自由
・逮捕・拘禁などに対する保障(逮捕するなら逮捕令状を求める権利)
②精神活動の自由
・思想・良心の自由(考える自由)
・信教の自由(宗教を信仰する自由)
・集会・結社・表現の自由(思ったこと、考えたことを外部に発信する自由)
・学問の自由(好きな学問を勉強したり研究したりする自由)
③経済活動の自由
・居住・移転・職業選択の自由(住みたいところに住む、就きたい職業に就く自由)
・財産権の保障(自分の財産を誰かに奪われることはない)

まず、これを頭に入れておくことが必要です。
ただ「〇〇の自由」というフレーズを暗記するだけでなく、( )のなかに書かれている内容説明も理解しておきましょう。


今回は、問題文に「意思、感情などを外部に明らかにすることを保障する」とあるので、自由権のなかの精神活動の自由に含まれる「集会・結社・表現の自由」に該当する選択肢を選べばよいことがわかります。

「奴隷的拘束」⇒奴隷的拘束および苦役からの自由です。

「思想及び良心の自由」⇒思想・良心の自由です。
これは、意思・感情などを自分の心の中で持つ自由です。
それを外に発信することは含まれません。
そこに注意してください。

「居住、移転及び職業選択の自由」⇒経済活動の自由のなかの、居住・移転・職業選択の自由です。

「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由」⇒これが意思、感情などを外部に明らかにする自由です。

「集会」(人が集まって意見等を交換する)
「結社」(人が集まって何らかの目的をもった団体をつくる)
「言論」(言語や文章で意見等を表現する)
「出版」(書籍で意見等を表現する)
⇒これがすべて意思・感情などを外部に明らかにする活動です。
よって、今回はこれを選びましょう。

問2

Ⅱの文章から読み取るべき情報

・中東で起きた戦争の影響を受けた石油危機
⇒第四次中東戦争の影響を受けて1973年に発生した石油危機(オイルショック)のことです。
⇒オイルショックは高度経済成長期を終わらせた出来事です。
⇒高度経済成長期の次の時代を選べばOKです
⇒安定成長期を選びます
⇒ウを選びましょう

選択肢が示している時代

ア:第二次世界大戦期+戦後復興期
イ:高度経済成長期
ウ:安定成長期
エ:(安定成長期+)バブル経済期
となっています。

年号を暗記しなくても、時期ごとに出来事を整理していけば都立高校入試の年表問題に正解することができます。

問3

記述問題です。
記述問題では、まず最初に設問文を読んで要求事項を明確にする必要があります。
つまり、何を書けば点がもらえるのかを把握してから解きましょうということです。

この問題では、
・Ⅰの文章が示された背景となる我が国の現状について書く
・Ⅱのグラフから読み取れる我が国の現状について書く
・アメリカ合衆国と比較して書く
・情報通信技術を提供する業種と利用する業種の構成比の違いに着目して書く
といったことが要求されています。

Ⅰの文章が示された背景となる我が国の現状

Ⅰの文章では、
・情報通信技術を利用する業種に十分な情報通信技術をもった人材が必要
⇒情報通信技術を利用する業種には情報通信技術をもった人材が足りていない

ということが述べられています。

Ⅱのグラフから読み取れる我が国の現状

情報通信技術を提供する業種と利用する業種の構成比の違いに着目

アメリカ合衆国と比較

この3つを同時に進めていきます。
情報通信技術を利用する業種には情報通信技術をもった人材が足りていない
⇒日本では、情報処理・通信に携わる人材のうち72%が情報通信技術を提供する業種です。
それに対し、アメリカでは35%しかいません。およそ半分です。

情報通信技術を利用する業種については、日本は9%でアメリカは約45%です。およそ5分の1です。

以上を書いていけば、設問の要求を満たした記述を書くことができます。

解答例
情報処理・通信に携わる人材のうち、情報通信技術を提供する業種の比率はアメリカが約35%に対し日本が72.0%と割合が高くなっている。また、情報通信技術を利用する業種の比率はアメリカが約45%に対し日本は9.0%と割合が低くなっている。

問4

Ⅱの文章から読み取るヒント

・「衆議院(の内閣委員会)で法律案の説明と質疑」
・「~を原案に追加した修正案」

⇒衆議院で法律案に対して説明や修正を行っている
=衆議院(の本会議)で法律案を可決or否決するための準備を行っている
⇒Cの直前にやることである
⇒イが正解となる

大問6

問1

大問4に多い、文ごとに特定のフレーズから文の時代を特定していく問題です。
海外の出来事ばかりになっているので、大問4より難易度が高いです。
しかし、海外の出来事のなかで歴史の問題として出題されるもののバリエーションはかなり限られています。
その限られたバリエーションのなかで考えていけば正解を導きやすいです。

次のうちのどれかでアプローチしましょう。
①他3つの選択肢を並べてみると、エ(江戸時代初期)~ウ(第二次世界大戦期)までかなり時代が空いている
⇒その間に入れればよいと考える
②「工業の発展」⇒産業革命と考えて、これが「江戸時代(改革期)」に属すると考える
③「ビスマルク」⇒1871年にドイツの統一を実現させた人物⇒「江戸時代(幕末)」だと考える

「冷戦が起き緊張が高まった」⇒戦後復興期

「ニューディール政策」=世界恐慌に対するアメリカ合衆国の対応⇒第二次世界大戦期

「絶対王政」
⇒フランス革命の直前まで続いた
⇒フランス革命は「江戸時代(改革期)」
⇒それの前の時代だから「江戸時代(初期)」と考える

以上から、
エ⇒ア⇒ウ⇒イ
である。

問2

Ⅱの文から読み取るべき情報

「イギリス」「フランス」の2つの文化圏がある
⇒選択肢の国と関係の深い国を並べていくと
・ブラジル:ポルトガル
・カナダ:イギリス・フランス
・オーストラリア:イギリス
・ナイジェリア:イギリス
となります。

ここから、カナダ=Bを選べば良いことがわかります。

もっとも、

カナダ東部のケベックにはフランス人が多く、現在でもカナダはフランス語を公用語の1つとしています。

は基礎事項の1つとして覚えておきましょう。
2021年の都立高校入試・社会でも大問6の問2ウの選択肢でも出題されています。
つまり2年連続で出題されています。

そうなるとさすがに当分出題されなさそうな気もしますが、大問2(世界地理)で再登場する可能性や自校作成問題の英語長文で言及される可能性もありますので覚えておきましょう。

カナダの首都はどこにあるのか

Ⅱの文章がカナダのことを指していることがわかっても、そこからが悩ましいです。
なにしろ、カナダの首都の場所なんて習っていない・覚えていません。
ですが、これは都立高校入試の社会。
知識ではなく読み取りでカナダの首都の場所を答えることができるように作られています。

・カナダの首都は「二つの文化圏の境界にある」
⇒ここでの「二つの文化圏」とは、東部のフランス系住民が多い地域と西部のイギリス系住民が多い地域です
⇒その中間にカナダの首都は位置しています
⇒ア~ウのなかで「中間」に位置しているのはイです
⇒イを答えとします

という推論で答えを導くしかありません。

ちなみに、アはカナダ経済の中心であり人口も一番多いトロント、イはカナダの首都オタワ、ウはカナダ第二の都市・モントリオールです。

問3

Ⅱの文章から読み取るべきヒント

①知識で解く
「オランダから独立」「イスラム教徒が8割」の2つのヒントから、この文章がインドネシアについて述べていることがわかります。
インドネシアはXです。

②読み取りで解く
「1950年の人口差は100万人を下回っていた」⇒この記述より、WとZは×だとわかります。「その後(1990年以後)緩やかな拡大傾向」⇒この記述より、残っているXとYのうちYは第一位の都市の人口が急増しているので×と判断します
⇒よって、正解はXです

この2つのうちどちらかで解いてください。

以上が2022年2月に行われた都立高校入試・社会の解説です。
いかがでしたでしょうか?
この記事を参考にして覚えるべきことを覚え、読み取るべきことを読み取れるようになって今後の学習に活用してください。

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